さて、「at　home」を駆使して、数多くの物件をピックアップして現地まで足を運び、「これは！！」という物件があれば、不動産屋を訪ねて「この土地下さい！」と言って金を払えば買えると思います。が、その前に・・・

相場を下調べすることが大事

　まずは目当ての物件周辺の相場を把握しておきましょう。不動産価格は相場と交渉で決まります。提示された価格どおりでなければならないわけではないし、逆に相場からかけ離れた価格で購入することもできません。

　具体的には、公表されているいくつかのデータから相場を計算することになりますが、代表的なものとしては次のとおりです。

地価公示	土地の関して最も代表的な情報ということで、国土交通省が毎年３月下旬に、全国２万数千地点の標準地の単価（㎡単価）を公表しています。
路線価	相続税や贈与税を計算するための課税価格を評価するため、価格が概ね同一と認められる路線（道路）ごとに、毎年７月１日に国税局が公表しています。
土総合情報システム	国土交通省が不動産の購入者に対するアンケートによって、実際の取引価格を調査、公表しています。最寄駅と駅までの距離、土地の広さ、形状、前面道路の状況なども掲載されており、似た条件の物件があればかなり参考になります。

 

 

 

 

 

 

　　　

　では、具体的に路線価から相場を調べて計算する方法と、土地総合情報システムで取引価格を調べる方法をご紹介します。

路線価から相場を計算する方法

　今から１０年以上前に２年ほど住んだことがある、世田谷区千歳船橋辺りを例にして調べてみます。

　まずは国税庁の　財産評価基準図　路線価図・評価倍率表　のwebサイトにアクセスし、最新年分をクリックします。執筆時点では平成27年度分が最新です。

　目当ての物件がある地域を選択します。今回は東京です。

　で、いろいろメニューはありますが「路線価図」を選択します。

　次に市区町村を選択する画面になりますので、今回は「世田谷区」を選択すると、世田谷区無の町名一覧のページになります。ここで地図上で選択するため、「索引図へ」をクリックします。

　すると、地図が出てきますので、調べたい土地があるあたりの区域をクリックします。今回は、千歳船橋駅前の船橋１丁目あたりを調べます。

　すると、地図の道路上に数字とアルファベットが記載されています。今回は土地の購入（所有権の取得）が目的なのでアルファベットは無視して、数字だけ読み取ります。

　「４３０D」とあります。この道路に面した土地の㎡あたり路線価は約４３０，０００円ということです。細かいことを言うと、奥行きや接道状況による補正がかかるようですが、今回は、だいたいの相場ということで加味しません。

　路線価＝相場価格ではありません。もうひと手間かかります。

　相場価格と公示価格と路線価は以下の関係にあると、一般的に言われています。
「相場価格＝公示価格÷０．９５」、「公示価格＝路線価÷０．８」

　ということは、代入して

　「相場価格＝路線価÷０．７６」だいたい、路線価の１．２５倍ぐらいが相場価格となります。

　上記の例では、相場価格が㎡あたり約５６万円、坪単価にして１８７万円（１坪＝３．３㎡）ということが分かりました。

　これより高ければぼったくられている、というわけではありませんが、一つの目安にはなります。

土地総合情報システムの活用方法

　まず、国土交通省　土地総合情報システム　にアクセスします。ページ左側に検索メニューがありますので、時期、種類、地域を選択し、「この条件で検索」をクリックするだけです。

　土地や中古マンション、土地建物なども検索も検索できますので、いろいろと調べてみるのも楽しいです。

　路線価と同様、世田谷区船橋で土地の取引情報を検索したところ、過去一年間で４件の取引例が掲載されていました。

　上図では細かい字が見えづらいですが、３番目の取引内容を見ると、千歳船橋駅から徒歩６分、８５㎡の土地が、平成２７年７～９月に坪単価１８０万円で取引されています。

　路線価図で挙げた例は、駅から徒歩３～４分のところかと思いますが、坪単価１８７万円でしたので、実取引における単価とかなり近しいことが分かりました。

　気になる土地があれば、このように相場を調べてみてください。相場よりかなりやすければ何か理由があるはずですので、現地確認の際や不動産屋さんとの会話の中で探ることもできると思います。

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